アルコールと酸塩化物からのエステル合成等で、塩基触媒としてよく使われるN,N-ジメチル-4-アミノピリジン (DMAP)のDFT計算をしてみました。B3LYP/6-31G(d)。以前計算したDBUのケースと同じく、2つある窒素原子のどちらが塩基としての役割を果たすのかを見ていきたいと思います。
入力ファイルの中身はここから-----
! DFT, B3LYP/6-31G(d), optimization
$CONTRL DFTTYP=B3LYP SCFTYP=RHF RUNTYP=OPTIMIZE $END
$SYSTEM TIMLIM=600000 MEMORY=80000000 $END
$STATPT OPTTOL=0.0001 NSTEP=200 PROJCT=.FALSE. $END
$BASIS GBASIS=N31 NGAUSS=6 NDFUNC=1 $END
$GUESS GUESS=HUCKEL $END
$SCF DIRSCF =.TRUE. $END
$DATA
C1
C 6.0 -3.5918062818 2.3384613938 0.1214566884
C 6.0 -4.7999750078 1.6566304046 0.0259264392
N 7.0 -4.9035692192 0.3199637480 -0.0839493653
C 6.0 -3.7408821033 -0.3563864197 -0.0921266602
C 6.0 -2.3786204633 1.6365763791 0.1012470764
C 6.0 -2.4891737388 0.2435842314 -0.0029408635
H 1.0 -3.8339082538 -1.4356508324 -0.1721060562
H 1.0 -1.6210373868 -0.4031330766 -0.0173436529
H 1.0 -3.6284112936 3.4164697798 0.2195915845
H 1.0 -5.7432923776 2.1946149782 0.0412715558
N 7.0 -1.1458450203 2.2836663324 0.2197291675
C 6.0 -1.0699808382 3.7258722497 -0.0028866775
H 1.0 -1.4925966331 4.0004720011 -0.9758645842
H 1.0 -0.0341892240 4.0830080006 0.0124363338
H 1.0 -1.5953837503 4.2681225793 0.7907564722
C 6.0 0.0955622428 1.5361164527 0.0414236817
H 1.0 0.1951788267 1.1825242907 -0.9904182439
H 1.0 0.1510847729 0.6847522797 0.7283252829
H 1.0 0.9686049279 2.1587468116 0.2674506471
$END
ここまで-----
で、最適化構造。
↓HOMO(-5.52 eV)。pπ軌道であり、ジメチルアミノ基の窒素原子の非共有電子対が大きく寄与していることがわかると思います。ジメチルアミノ基とピリジン環がほぼ同一平面上(わずかなズレあり)にあることにも注目。
↓HOMOのよりレベルがひとつ低い準位(-6.39 eV)の軌道。ピリジン環の窒素原子の非共有電子対由来の軌道であることが見て取れます。
というわけで、DMAPではジメリルアミノ基の窒素原子がアシスト役となり、ピリジン環の窒素原子が塩基としての中心的役割を果たす、と解釈できます。
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