DBU (1,8- diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)には窒素原子が2つあります。DBUは多くの化学反応において塩基として機能します。塩基として機能するために2つの窒素原子が重要な役割を果たしているわけです。
で、2つの窒素原子、どちらが「主役」でどちらが「アシスト役」なのか、ですが、より解りやすい図にするため、DFT [B3LYP/6-31G(d)] 計算で構造を最適化、分子軌道を調べました。
入力ファイルの中身は
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! DFT, B3LYP/6-31G(d), optimization
$CONTRL DFTTYP=B3LYP SCFTYP=RHF RUNTYP=OPTIMIZE $END
$SYSTEM TIMLIM=600000 MEMORY=80000000 $END
$STATPT OPTTOL=0.0001 NSTEP=200 PROJCT=.FALSE. $END
$BASIS GBASIS=N31 NGAUSS=6 NDFUNC=1 $END
$GUESS GUESS=HUCKEL $END
$SCF DIRSCF =.TRUE. $END
$DATA
C1
C 6.0 -3.1636892187 3.7036037598 -0.2528638177
C 6.0 -4.4684855553 2.9703120118 -0.0143270634
C 6.0 -4.3389162980 1.5669893286 -0.5722739580
H 1.0 -5.2990552152 3.4986271174 -0.4945224933
H 1.0 -4.6820822777 2.9251287937 1.0608225931
N 7.0 -3.1869453352 0.8567631743 -0.0211035604
H 1.0 -4.2575910234 1.5889822199 -1.6652230558
H 1.0 -5.2454011059 1.0011467275 -0.3308374905
C 6.0 -2.1660770291 1.5489226393 0.3594855632
N 7.0 -2.0675372593 2.9295534171 0.3153435904
H 1.0 -3.2228486634 4.6946063545 0.2121315614
H 1.0 -2.9917133727 3.8484453083 -1.3257589743
C 6.0 -0.8230596335 3.6489920952 0.5641783118
C 6.0 0.2527575099 3.2816808338 -0.4565062704
H 1.0 -0.4772367379 3.4668742182 1.5885371534
H 1.0 -1.0000694714 4.7299187761 0.4995108496
C 6.0 -0.9842651088 0.7427101832 0.8799652626
C 6.0 0.1475703445 0.7279305210 -0.1409057779
H 1.0 -1.3194165795 -0.2875104140 1.0541990705
H 1.0 -0.6571903104 1.1380761318 1.8470329019
C 6.0 1.0033655715 1.9933248107 -0.1171046001
H 1.0 -0.2490941822 0.5719514147 -1.1516158833
H 1.0 0.8020502017 -0.1245566244 0.0781743438
H 1.0 0.9907181619 4.0931117118 -0.4809250989
H 1.0 -0.1747478489 3.2135799278 -1.4644179156
H 1.0 1.8195537923 1.8695968528 -0.8397422204
H 1.0 1.4771670515 2.0952968303 0.8672686342
$END
ここまで----
得られた構造とHOMOを合わせたのがこれ。青色のが窒素原子、黒は炭素原子、灰色は水素原子。
両方の窒素原子にpπ軌道があるのがわかります。この軌道は塩基としての性質をアシストする軌道です。
次にHOMOより一つ低い準位の軌道。
片方の窒素原子だけから非共有電子対の軌道が大きく張り出しています。つまり、この窒素原子が塩基として機能するわけです。で、他方の窒素がアシスト役、というわけです。
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